投薬について


 難しい話の上、長くなりますがお付き合いください。

  • 養豚は抗生物質なしには成り立たない?

 ぶぅふぅうぅ農園では基本的に抗生物質を使用していません。これは養豚の世界ではほとんどないことです

一般的に無投薬などと謳っている豚肉は出荷前の3か月のみ無投薬の場合がほとんどです。よく見ると小さく注意書きなどがされていたりします。

基本的に出荷前の期間になれば豚も成長して抵抗力も強くなるので抗生物質を使わず済みます。養豚の抗生物質の過剰使用はほとんどが仔豚の期間で使われています。

 

 

 

  • なぜ抗生物質に頼らないといけないのか?

 狭いスペースで飼っているため豚たちの免疫力が低いことももちろんですが

効率性のため母乳を飲んでいる期間を短くし高栄養の配合飼料をいち早く食べさせるべく早期離乳(仔豚を母豚と話して飼うこと)してしまうからです。

通常生後30日前後、早い場合だと21日ほどで離乳してしまいます。

 

十分に成長しきる前に離乳してしまうため腸内細菌の働きが弱く穀物飼料では胃腸に負担がかかり下痢を引き起こします。

腸内細菌のバランスも崩れ最悪の場合毒素型の大腸菌症などにより死亡してしまいます。

そのため予防的に離乳後の仔豚たちのエサに抗生物質を混ぜているのです

 

 

  • ぶぅふぅうぅ農園ではどうしているのか

 放牧豚であることももちろんですが、ぶぅふぅうぅ農園では生後45日までは母豚と過ごし母乳を飲めるようにしています。

そうすることで仔豚がしっかりと成長し腸内細菌が活性化するため、穀物飼料に切り替えても病気になりにくく抗生物質を予防的に投与せずに済みます

 

 それでも病気になってしまう豚は少ないながらもいます。それを放置することはできないので応急処置としての抗生物質を使います。これは避けては通れないと思っています。使わないことが逆に豚の負担にもなるためです。

 放牧豚たちは豚舎で飼われている豚たちより抵抗力が強いので病気になることもずっと少ないです。


自家配合飼料


 ぶぅふぅうぅ農園では豚や鶏に与えるエサに特にこだわっています。

輸入物のトウモロコシと大豆かすはNon-GM(非遺伝子組み換え),PHF(ポストハーベストフリー)のものを使用し、エコフィードなどと合わせた自家配合飼料を与えていたます。


  豚の離乳後の育成期や成鶏には消化をよくするため、発酵餌を与えています。

エコフィード


 日本の畜産は通常約90%の輸入の餌によって成り立っています。

 

 地球の温暖化による食料生産の不安、そして10億人といわれる飢餓人口、食品ロスの問題を真摯に受け止め

エコフィード(食品工場から出る副産物)の利用を積極的に進めています。

 エコフィードは原料が確認できるものを使うようにしています。

 

 

 輸入大国である日本は廃棄大国でもあります。飢餓で苦しんでいる人たちもいる中、大量に購入してそれを捨てている、こんなにもったいないことはないと思います。

 

特に畜産は輸入に頼っているのが現状です。しかし豚は人間の食料の多くを消費してくれます。

本来ならばそのまま捨てられてしまうものを豚や鶏たちに食べてもらうことで有効利用させていただいています。

 

現在、エコフィード等を使うことにより60に~70%を国産の餌でまかなっています。

 

 

 

 エコフィードは副産物であるため、手に入る量が安定しないものもありその時によって使用するものが変わることがあります。

一定量が手に入りメインで使っているものを紹介いたします。

 

 


米糠

 お酒を造るときや、お米を精米するときに出る米糠。

 

パン

 パンの耳などをもらってきて、天日干し乾燥させたあと細かく砕いて使用しています。

 

 パンは栄養価も高くお肉にさしが入りやすくなるとても重要な飼料です

ナチュラルチーズ

 無添加のナチュラルチーズは豚も鶏も大好き!貴重なタンパク源になっています

 

ビーフン

 ビーフンの端材をもらってきて細かくして使用しています。

ポテト

 オーガニックの乾燥したポテトチップを脱穀機を使って細かくし使用しています



実はけっこう手間がかかってます・・・ 

 エコフィードは配合するまでに乾燥させたり細かく砕くなどの手間がかかったり、微粉末のものは餌箱から落ちにくくなり、夏場では暑さで固まってしまうなど一筋縄ではいかないものも多いです。

 そのまま混ぜるだけのものや保存がきくものは需要も多く値段も高くなります。競争も激しいので小さい規模のところはなかなか使用できません。

 

 また成分がハッキリわからないものもあるため時として豚や鶏たちの成長に影響してしまうこともあります。パンをあげすぎて親豚が太りすぎ親豚に影響したり、大豆のたんぱく質を抽出したものをヒナに使用したらビタミンなどが不足して上手く育たたないなど一筋縄ではいきません。

 

手間はかかりますが環境や飢餓のことも考えつつ利用させていただいています。