繁殖母豚について


 母豚は10頭を1群とし、3000㎡の土地を2分して1年ごとに交互に使う2圃式を採用し、病気や寄生虫が繁殖しないようにしています。

雑草の生えた荒れ地も「ブルトンザー」にかかれば3週間ぐらいで裸となってしまいます。


 通常妊娠期間中はコロニー豚舎のある放牧場で自由気ままに過ごします。餌は朝、夕の2回

 

 

 意外と見向きさせれない親豚の放牧。健康な仔豚が育つために親も放牧豚であることが重要です。

 

 親豚も放牧豚なので基本的には抗生物質は使いません。

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分娩舎について


 お産が近づくと繁殖母豚は分娩舎に収容されます。

産まれてきた子豚を踏みつぶしてしまないように分娩柵を設けてありますが

子豚が生後10日以降は自由に外へ出られるように地面と同じ高さにしてあります。
 
 ほ乳期間は人口乳を使わないために45日以上。効率は悪いけど自然が一番。母乳が一番。
 放牧で鍛えられた母ちゃんの体力は衰えを知りません。

 

 

 母豚は朝夕の給餌後一旦専用の放牧場へ出して糞尿を兼ねた運動をさせます。

 

 母ちゃんと一緒の散歩はほほえましいけど、兄弟群れを成しての闊歩は畑を荒らしたり家に不法侵入したりと悪さの連続。通称「ギャング」と呼んでいます。

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保育園について


 

 生後30日を過ぎると外では悪さの連続であり、分娩舎内ではストールがあるためせまぜましく、乳の呑めない豚や挟まれ圧死する豚も出てきてしまいます。要領のいい豚は隣のおばさんのオッパイも占領してしまい、てんやわんやの大騒動になってしまいます。 

 

その解決策で出来たのが、通称「保育園」。

10日目から農場を走り回っている子豚は元気いっぱい

もう分娩枠がなくてもつぶされる心配は少なくなります。

 

広々したところでの母子放牧は和やかな風景を作っています。

 

 45日哺乳は非常に長いですが、1986年のチェルノブイリ原発の事故により、汚染された脱脂粉乳が餌の中に使われたのをきっかけに、「なぜ人口乳を使ってまで効率を上げるのか」疑問を持ちました。
 


 以来離乳と餌との関係について悩み、時には毒素型の大腸菌症で一夜にして多くの子豚を死なせるなど試行錯誤の結果、餌となる穀類の消化能力は最低45日必要と言う結論に達しました。

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